黒爺のハーフボイルドな71年

黒爺の食い散らかしの恥 書き捨て

栄清丸@笠岡

牡蠣の昆布締めと子持ちはぜ

毎月開催されるお遊びシリーズ。あがるたさんのお好みリクエストを店主がきいてくださるという企画。久しぶりに参加できた。

子持ちハゼ。骨の硬い魚である。魚には疎いので知らずに囓りついて後悔した。子供の頃から小魚を綺麗に食う訓練を怠ってきたので鰯やママカリのようにかみ砕けばいいやと思ってたのが甘かったな。しかし美味いのなんの。この骨硬さでは飲み込むのは抵抗があるが、はき出すのがもったいないくらい。不細工に指でつまんで出した。冷静に身をほぐして食うべきたっだ。添えてある筍に味がしゅんでこれもうまい。「しゅむ・しゅみる」は味が染み込むの岡山弁。

ホイル蒸しから湯気が上がってきました。しめじ、えのき、黄ニラ、筍にくるまれて牡蠣が出てきました。昆布が敷かれています。まず香りがいいね。もう少し蒸らしましょうかね。

その間に粕汁が出てきました。個人的には粕汁は好きじゃないけど、ここのは例外。酒粕の香りと甘さのバランスがよく、旨味を感じます。

撮り忘れて残りわずかになった状態。牡蠣は天然塩と胡麻油のタレで野菜はポン酢でいただきました。昆布まで全部食い尽くしてしまった。
日本酒は「獺祭だっさい」山口のお酒です。獺はカワウソのこと。獺祭とはカワウソが捕った魚を並べる様子が、詩文を作るとき多くの参考書を広げているのに似ていることから。燗でいただきました。
日高見(ひたかみ)宮城のお酒です。ラベルには超辛口純米酒とあります。冷やで並々注いでいただきました。
日本酒のうまさをどう表したらよいかわからないね。日頃呑んでいるカップ酒とは全然違うのはわかるけどなぁ。五臓六腑に染み渡るとか、池波正太郎は「身震いするほどの快感が全身を駆け巡る」と書いた。大袈裟すぎないか。「まとわりつく質感」とか「甘い香りが鼻をぬける」とか「なめらかで口の中で柔らかく溶けていく」など思いついたが、しっくり来ないね。単語では「ふくよか」「シャープ」「爽やか」「舌にしみる」などがよく使われる。難しいね。僕の場合は呑みたい気持ちが先に立つので、とりあえず口に含めばOKといういい加減さ。これからはもうちょっと考えて呑もう。